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生態の美

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入り口広場、樟の木の大通り、桂花小路

三落半月池の側のエノキ(榎)は冬になると葉が黄色に変わり落ちていきます。

葉っぱが抜け落ちたエノキは庭園に冬の物侘しさを滲ませます。

 
エノキは台湾語で「石博」あるいは「石朴」と呼び、樹冠が傘のようになっているので、夏は日差しを遮り納涼にもってこいです。昔、田舎の子どもが未熟な果実を弾にし、細い竹の筒の先端まで詰めた後、布で巻いた割り箸を差し込み空気を圧縮して飛ばして遊んでいました。

多くの貴重な蝶やカブトムシの喰樹であるエノキは、保護されているタテハチョウ、メスのメスアカムラサキ、小紫蝶など、昆虫を自然と引き寄せます。

渡り鳥が去った後の寂しい春と夏の空にツバメがやって来て、空全体が突如にぎやかになり、ツバメのさえずりがしばしば聞こえ、夏の日に彩りを加えます。

八月が過ぎると、ツバメは去りますが、また渡り鳥が姿を見せて、空は活気に溢れ寂しさは少しもありません。

「樟(クスノキ)」の名前の由来は、木の幹の筋が文「章」のように整っているからです。林本源園邸に入ると、台湾を中心に分布しているクスノキが二列に並んで出迎えてくれます。

トウカエデは三落大厝に植えられており、庭園内の緑もみじとは違う種類に属しています。葉っぱの形が似ていて、共に秋の紅葉景色の主役であるため、混同されてしまうことがしばしばあります。

一口話:唐の詩人白居易の「琵琶行」に、とある詩があります。「潯陽江頭夜送客,楓葉荻花秋瑟瑟(潯陽江という所にて、夜客を送り、楓の葉、萩の花、秋風寂しく)」と秋の楓の侘しさを語っています。

 

クロヒヨドリのオスとメスは大きさと色が似ていて、優雅でありながら、パンクの髪型のように頭の羽毛が逆立ちし、鮮やかな赤い嘴と足を持っています。翼の羽が薄い灰色になっている以外、全身漆黒なので「紅嘴黑鵯(赤い嘴のクロヒヨドリ)」と名付けられたのです。また、朱色の嘴と全身に黒いドレスを着ているように見えることから「紅嘴嗶仔」や「紅嘴烏鶖」とも呼ばれています。

花園に足を踏み入れると、かすかなキンモクセイの香りが客人を迎えます。キンモクセイの原産は中国西南各省であり、日本とヒマラヤ山岳地帯にも分布しています。1700年の初めに華南から台湾に伝わってきたのです。

キンモクセイが香る最盛期は秋と冬が入れ替わる時期で、花のつぼみが完全に開いていないときに最も濃厚な香りを放ちます。早い時期からハーブティーの材料として発展しました。

庭園で最も堂々たる外観をしている喬木が、アーチ型の入り口の斜めそばにある三角亭のアキニレです。伝統庭園では「ニレの木」を指し、庭園造景でよく使われる木の一種であり、盆栽芸術でも良く見られ、園邸内にもその盆栽を育てています。この木材は堅く、亀裂しにくいため、家具を作るのに適しています。木の幹の上に赤褐色をした、不規則な雲の形で剥がれたような痕があるのが外観の最大の特徴です。

オオバコ科のオオバコは多年生草本に属しており、葉は根生で、蓮座の形をしていて、茎は見えず、葉身は地面に貼りついています。花は穂状につき、とても小さく、茎にぴったりくっついています。白色で目立ちませんが、シジミチョウの蜜の元であり、果実が熟した時は蓋のように自動的に開きます。これを「蓋果(ガイカ)」と呼び、細長い楕円形をしています。

紅葉は、昔から文人雅士の叙情的な詩を詠む対象とされ、紅葉の落葉で作ったしおりは常に遊客に愛されてきました。台湾は亜熱帯に位置し、モミジ科の中で紅葉景観の原生樹は6種類あり、中でも園内で見られる緑もみじが最も美しいです。

ヤシの木は南洋の雰囲気を醸し出すのに欠かせない材料です。夕日が沈むころ庭園内の方亭の近くにある孔雀飼育所の方を眺めると、檻のそばに佇むビロウと孔雀が美しい絵を作ります。

孔雀はとても華やかな鳥で、オスとメス両方の頭上に青い羽冠があります。オスは体長75センチあり、150センチの長い尾羽を引きずっています。尾羽の先には青と金属光沢のある銅色の「眼圈(目)」があります。

雄のクジャクは求愛行為として尾羽を扇状に広げ、羽を揺さぶりながら誇らしげにメスの周りを歩き回り、羽を振動させて音を出して誘います。また、気分が良いときにも羽を広げることがあります。

メスの孔雀の羽は綠と褐色を呈して、体の大きさは雄鳥とさほど変わりませんが、尾羽が短く華麗な羽もありません

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