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園林芸術

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はじめに

文献によると、台湾で最初の園林が造築されたのはオランダ統治時代でした。富を成し遂げた商人が娯楽や社交のために庭園を建てるようになったのです。清の道光・同治年間になると、南北各地の豪族や官僚、名士はこぞって庭園を建てるようになりました。その中で最も有名なのが「台湾の四大名園」と呼ばれる、台南の呉園、新竹の北郭園、板橋の林本源園邸、霧峰の莱園です。このほか、新竹の潜園、台中神岡郷にある呂氏筱雲軒も非常に名高いですが、保存状態が最も良いのが板橋の林本源園邸です。

 

園林は周囲の自然と一体となって優れた景観を構成した、または人間が造り出した自然景観の庭園です。中国伝統の園林は昔の人の自然に対する憧れを反映しており、まるで大自然を縮小させたように家の庭に山や石、泉水を揃えることによって、それに思いを託したのです。そのため、中国園林では必ず観賞と遊びの要素が両方含まれており、西洋風の庭園とは異なっています。西洋式庭園は抽象的な幾何学模様を上手く用い、支配力を表現する手段として配置も左右対称を好みます(極端な例としてベルサイユ宮殿が挙げられます)。

 

中国伝統の園林において、建物の配置は一般の家宅内のように左右対称な設計ではなく、限りある範囲内でより一層自然を表現する環境を造り出すために、巧みに変化に富んだ技法を採用しています。造景は鑑賞をする際の経路の設計を重視し、経路に沿って違う景色が楽しめる景観を造り、経路を進むにつれて景色が変化し、山であったり、水であったり、林の奥深くまでたどりついたかと思ったら、花が満開する景色が目に飛び込んできたりと、多様多彩な空間構成となっています。

 

園林芸術は優雅で奥が深い学問です。園林に情緒を加えることが最高の芸術表現です。園林の中の建築、山、水、花、木、またこれらで構成された空間は、鑑賞できる物質的環境であるだけでなく、感銘を与え心を悟らせる精神的環境でもあります。

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