はじめに
林本源の園邸は数々の彫刻工芸が見られ、華麗で洗練され、その技術は非常に見事なものです。木彫りから石彫り、レンガ彫りなど、その多くは建物の装飾するための芸術作品です。
作品は福建省と広東省の装飾スタイルを踏襲し、細かく分けると人物、動植物、器物、図案、文字などのテーマがあり、「趨吉避凶(吉を呼び込み凶を避ける)」や教訓、教え、その時代の流行などの要素が盛り込まれています。
彫刻の技法は大きく分けると立体彫刻、透かし彫り、浮き彫り、糸彫りの4種類があります。
木材、石、レンガの3種類の素材で林本源園邸の彫刻の美を形成しています。
背景に属さない独立した立体作品であり、様々な角度から鑑賞することが出来ます。「石獅」や「竜柱」等がそうです。
「漏彫」とも称され、前後を貫通させているのが特長で、採光性、通気性が良いため、窓の装飾として多く応用されています。「螭虎の窓」や「人物窓」などがそうです。
片面だけに施される彫刻で、高低深浅や層を重ねることで立体感を表現します。
「陰刻」とも称され、浅く細長く彫り込んで輪郭を描く方法で、様々な装飾図案に適しています。